テーマ: 人財開発(HRD)

初期設定

4月、多くの企業で新入社員研修が実施されました。

学校を卒業したばかりの新人にとって、社会人の第1歩、未知の世界の入り口です。採用が厳しかった時期には、新卒でも正社員なれない時期が何年か続きました。アルバイトや契約社員という立場で、経験を積み上げてきた方々からすると、新入社員研修というものは、なんと贅沢なことでしょうか。

人の成長を決める要素で最も比重が大きいのは、「経験」です。数日間の「研修」で伝えられることは限られていますが、新入社員研修は、これから仕事の経験を積むための器づくりの時間であり、大切な初期設定です。私にとっては、新しい「技」を乗せるための、「心」と「体」の器づくりをするイメージです。

最初の仕事は、その人の人生にとても大きな影響を与えるものだと思います。1日の生活の中で24時間の3分の1以上、人生の30年以上を費やす仕事の時間の質を上げるためにもマネジメントの考え方を知っておくことは大切だと思います。

未来の社会にとって、コンピューターやロボットの影響力はますます大きくなってくると思います。だからこそ、それぞれの業種において、わが社の社員の仕事はなにか、ということを考える必要があるでしょう。わが社にとっての仕事の本質は何かということ、わが社の人間だからこそ生み出せる価値を創り出すことを、経営者から新入社員まで、一丸となって取り組んで頂きたいと思います。

働く上で初期設定はとても大切です。ほったらかしで、勝手にやっといて、という扱いであれば、その人は、後に続く後輩にもそのように伝えるでしょう。逆に、何でもかんでも指示命令のもと、考える余地を与えなければ、何年経っても創意工夫のない仕事の仕方しかできない人ができあがります。

個人が成長し続けることと、組織の成長が連動できるということを初期の段階で実感していただけると、その人にとって、会社や仕事の意味は大きく変わると思います。今の新入社員は、70歳まで仕事をする時代に突入すると言われています。だからこそ、自分のキャリアをデザインする意識を持ちながら、生き活きと仕事に取り組んで頂きたいと思います。

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