テーマ: 人財開発(HRD), キャリアコンサルティング

人生における転換期、仕事における「筏下り」と「山登り」

ある会社で30歳社員対象の研修を実施しました。30歳は節目の歳とよく言われます。ネットで検索しても、三大疾病などの保険、体調変化や健康、結婚、出産、家族、仕事の変化・・・etc.といった20歳代とは違ったライフステージの言葉がテーマとして検索されます。今回は、30歳という年齢だけを共通として、様々な部署から、経験年数の違いもある方たちとご一緒しました。狙いはまさに30歳をひとつの節目として自分自身を振り返るというものでした。私自身の30歳はどんな感じだったかなと想い起こすきっかけともなりました。

人生におけるステージ理論やキャリア開発における考え方をいろいろ研究しましたが、ユング、エリクソン、レビンソン、スーパーといった学者は、人生の一番の転換期は40歳としており、その前の30歳代は非常に重要な時期であるといっています。人生を80年とすれば半分を過ぎたときですし、厄年を迎えたりします。そういう意味では40歳代は人生の転換期ですし、その前の30歳代は充実した人生をどう歩んでいくかを形成する意味で大事な時期と言えるでしょう。私自身は来月48歳になります。30歳、40歳をふまえて今がありますが私の転換期は結婚した35歳と前職を退職し今のAMWに入った45歳でした。

キャリアの考え方からたしかに当てはまるなと共感した考え方がありました。「キャリア入門」大久保幸夫著(日本経済新聞出版社)の中で仕事のキャリアにおける『筏下り』と『山登り』という考え方です。

『筏下り』とは、初期のキャリアイメージであり、川の下流に目指すものがあるのではなく、そのプロセスに意味があり、自分がどこに向かっているかもわからない中で急流と向き合い、力を振り絞って乗り越えようとする考え方です。

流れに身を任せるのも一つの考え方ではないかという人もいますが、大久保さんは、流れに身を任せるといつしか海につく、海はひろく自分がどこにいるか分からなくなってしまうと言っています。たしかにそういう感じがします。

『山登り』とは、一つの山を選び、その頂をまっすぐに目指すようなイメージであり、目標は明確で、かつ高い。頂までに行くには時間がかかるが、自分のエネルギーをその山を登ることに集中させていくという考え方です。

30歳前後というのは多くの経験を積み、様々な人との出会いを重ね、短期的な目標をクリアする『筏下り』をして、「自分にできることは何か」「何がやりたいのか」「何をやることに価値を感じるのか」という『山登り』を考えはじめるころだと思います。

私の30歳までの『筏下り』はまさに激流でした。激流に向き合い、岩に激突して大きなケガもしたと思います(笑)

30歳になったときに、このままではいけない、どういう仕事をしていくのか、何がしたいのかという『山登り』を考えたころだと思っています。

年齢による節目は人それぞれにあると思いますが、そこでいったん立ち止まり、振り返りをする時間を持てることが必要なのだと思います。そんな気づきを提供することをもっとしていきたいと思っています。

 

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