テーマ: 人財開発(HRD)

「学習・成長の5段階」

「人が変わる」ためのベースとなるモデルを紹介します。それは、30年以上も前からある考え方ですが、出典・名称もつかめていません。私は「学習・成長の5段階」と呼んでいます。

このモデルは、人が変わっていくことの過程を端的に示しています。「幼い子供が自転車に乗れるようになる」ことを例にして説明します。

第1段階:幼い子は最初、自転車そのものも分からないことも含め、自転車に乗れないことにすら何ら疑問も持っていません。つまり、自転車に乗れないことについての問題意識は何もない状態です。できないこと(無能)を意識していない(無意識)という段階です。

第2段階:その子が母親と一緒に公園に行くと、少し上のお兄ちゃん達が、楽しそうに自転車を乗り回す姿を目にします。すると、そこで初めて「自転車に乗りたいが、自分は乗れないんだ」ということを意識し出すのです。これは、できないこと(無能)を意識している(意識)段階です。ここで、第1段階から第2段階へ駆け上るための鍵は「1,気づき」です。この子は、自転車に乗り楽しそうにしているお兄ちゃん達を見た、という経験が気づきに繋がったのです。

第3段階:気づきの度合いが大きければ、この子は次の行動に出るでしょう。それは、自転車を買ってもらい練習するのです。この子にとっては新たな行動への「2,チャレンジ」です。このチャレンジがあるからこそ、「自転車に乗れる」可能性が高まるのです。とは言え、意識してバランスを保つ、ブレーキをかけることができればいいのですが、一度にいろいろなことが同時にできず、すぐに転倒します。それでもチャレンジし続ければ、何とかバランスに注意(意識)し、ヨロヨロながらも乗れる(有能)ようになるのです。

第4段階:第3段階では、まだ板についておらず、不自然な感じでしょう。そこで、「3,習慣化」、繰り返し実施するという機会をつくるのです。気づいた頃には、意識しなくてもハンドル操作がスムーズで、人が急に飛び出てきてもうまくよけられたり、急ブレーキでしのげたりするようになるのです。自分が自転車に乗れなかった頃のことは遠い昔の話になっている状態が無意識有能の段階です。

以上が、このモデルの概略です。この段階を一つひとつ駆け上がるためには、
1, 気づき
2, チャレンジ
3, 習慣化
が鍵になることは間違えありません。これらを促進していくことが私の役割と考え、クライアントの皆さんと向き合っております。併せて、その前提としての自分自身が「変わっていく」ことにおいても重要なことはよく分かっていますが・・・・・。

Share

コラムに対するコメントなど何なりとお寄せ下さい。

コメントはこちらから
日本全国対応。お気軽にお問い合わせください。03-5609-2944
仲間募集(随時採用)
プライバシーマーク