リベラルアーツ
東京工業大学で開催された講座を聴講してきました。
題して、「現代の社会と宗教 1995~2017」。
恩師である上田紀行先生からご案内頂きました。
予約不要、入場無料ということで、
平日だし空いてるだろうと思ったら、
雨の中、長蛇の列ができていて、びっくりしました。
池上彰さんが登壇されるのですから、当然でした…。
東工大は、さすがの対応力で、別教室を3部屋開放し、同時中継で、
すべての来場者を受け入れてくれました。
司会は、渡邊直樹氏、SPAやアスキーなど数々の媒体で活躍した剛腕編集長。
パネリストは、文化人類学の上田先生、ジャーナリストの池上先生と宗教学の弓山達也先生、政治思想がご専門の中島岳志先生という異色の組み合わせでした。
同じ大学にいても、4人が一緒に話す場はないそうで、貴重な場だったようです。
近年、文系の教養教育のあり方が問われている中、
東工大では、リベラルアーツ研究教育院を設置し、
人間と社会のことをしっかりと学び、議論できる技術者・研究者を育成しています。
そのような背景の中、今回のテーマが宗教ということで、
どんな議論になるのか、とても興味深いものがありました。
1995年の阪神・淡路大震災とオウム真理教のサリン事件から、
紐解き、謎解きが始まり、
スピリチャルブームや、ISの問題、2011年の東日本大震災など
国内・海外の事象を絡めながら、現代社会における宗教性とは何か、
にせまりました。
若者が抱える「生きづらさ」というものが、
それぞれの世代でどのような方向性に向かったのか、という議論は、
宗教とは何かを考えるために、とても大切な補助線となりました。
こういう気づきは、ひとりで本を100冊読んでも、なかなか得られません。
今回の講演をベースに、渡邊氏が書籍を制作されるとのことなので
続きの展開が楽しみです。
次世代のリベラルアーツのあり方を垣間見ることができたような気がします。
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