Edgar H.Schein『プロセス・コンサルテーション』読書会
10月の最終土曜日、エドガー・シャインの『プロセス・コンサルテーション』を読む会を開催しました。
参加メンバーは、昨年夏に、ODNJの組織開発基礎講座に参加した時に出会った仲間です。
彼らは、企業の人事やコンサルタントなどさまざまなお立場ですが、
2ヶ月に一回くらいのペースで三軒茶屋に集まって、情報交換と酒場放浪記をしています。
今年の四月から私がキャリアコンサルタントの勉強を始めた際も
すでに資格を取得されている先輩方からいろいろとアドバイスを頂きました。
キャリアコンサルティングについては、まだ組織の中で、確固たる制度が整っていないようですが、
自主的にキャリアについてのサポートをされているご経験など伺い、
自分なりのイメージをふくらませていました。
当初、シャイン先生の『キャリア・ダイナミクス』の読書会を提案したのですが、
大学院時代に読んだ方からのご意見などを頂き、
まずは、『プロセス・コンサルテーション』が必読でしょう、とのことで挑戦することとなりました。
この本は、1969年初版され、その後改訂版が1999年に発刊されたものが、2001年に日本で出版されました。
著者にとって、学者という立場よりは、
企業や組織に対するコンサルタントとしての活動を伝えるために書かれたものなので、
事例が多くあり、一見読みやすいのですが、理解するためには、バックグラウンドの知識が必要で、
一人では歯が立たないので、協力を頂くことにしました。
第1回目は、全体の進め方を話し合いながら、各自がこの本に対して思うところを共有しました。
続いて、第4章「クライアントの概念」に焦点をあてて、議論しました。
本書の中で、クライアントの諸タイプとして、
1.コンタクトクライアント
2.中間クライアント
3.プライマリー・クライアント
4.自覚のないクライアント
5.究極のクライアント
という分類があります。
そのうち、「自覚のないクライアント」と「究極のクライアント」とはどういう状況なのか、
について、さまざまな事例と見方・考え方について、
それぞれの立場での経験から、貴重なお話しを聞くことができました。
今回の一番の収穫は、学生時代の読書会とは違う、メンバーの経験知の豊富さです。
また、前にこの本を読んだ方から、当時つけていた付箋と違う場所に興味が湧いたというご意見があったり、
やはり原書の英語でどういう表現がされているかを調べてみよう、との提案があったりして、
一人での読書が何倍にも豊かになりました。
私自身も日々の活動とのつながりを探っていきたいと思います。
コラムに対するコメントなど何なりとお寄せ下さい。
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