株主総会の実態①!!
6月が終わりました。6月は上場企業の株主総会が多い月です。今回は、株主総会を終えたばかりのある企業に久保田さんのお力添えでその実態をインタビューする機会を頂きました。お聞きした方は上場企業の経営企画部本部長と課長のお二人です。
インタビューした目的は、次期経営人財育成プログラムや異業種交流プログラムの中で実施している経営シミュレーションプログラムの品質を高めることです。この経営シミュレーションプログラムの中で記者会見や株主総会を行うのでリアルな現場の臨場感や実態をつかみ、株主からどのような質問があり、経営者がどのような説明をするのか今後のプログラム展開に活かすためでした。
そもそもこれまで在籍した会社も今のAMWも上場企業ではありません。したがって機関投資家や個人株主がどのような質問をするのか、運営側の会社の方々がどのような苦労をしているのか報道や書籍などでは見たり聞いたりしていましたが、実態は良くわかっていなかったというのが本音です。我がAMWは決算が終わった段階で必ず株主総会を実施していますが、やはり上場企業が行う株主総会、あるいは決算説明会はまた違うと感じました。前置きが長くなりましたが、そうした実態を今回はコラミングしたいと思います。
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1.基本的な質問で恐縮ですが、株主や総会の運営についてお聞きします。
①株主はタイプ分けできますか?
→基本は機関投資家か個人株主です。株主総会は個人株主がほとんどです。機関投資家はIR、決算説明会で済むので株主総会にはほとんどきません。
②代表的な質問はありますか?
→個人株主の関心は、株価と将来の事業可能性です。機関投資家は、戦略の話を聞きます。
③株主総会で質問はどのくらいされますか?
→株主総会は説明の時間が長いので、質問は3つから4つぐらいです。質問が多いのは決算説明会です。機関投資家やマスコミもいます。決算説明会は証券会社に委託して進めることが多く、司会もいます。株主総会は自社の運営で進めます。
2.質問される内容、特に企業戦略、事業戦略などについてお聞きします。
①マクロ環境とミクロ環境の質問のバランスはどのような感じですか?
→基本はミクロ環境の質問が中心です。業界についてが中心です。
②競争相手に関する質問はありますか?
→競争相手についての質問はされません。されてもお答えもできませんから。聞きたい方は、競争相手の株主総会に参加されると思います。競争相手ではなく、株主として自社の強みなどについて質問されます。
③全社戦力、自社の戦略について質問されますか?
→株主総会では基本はあまり質問されません。M&Aなども可能性はあるという程度にしか話しません。質問されるのは決戦説明会です。決算説明の場合は、一人4つくらいの質問を合計5人くらいからの質問を受けています。30分以上かかります。
④事業戦略についてはマーケティング中心の質問ですか?
→製品、市場規模などについては質問されます。どの製品に力を入れていくのかなどです。
⑤研究開発、設備投資計画、資金調達に関する質問はありますか?
→あります。フリーキャッシュフローを確認するために聞かれたりもします。将来性を確認する場合もあります。
⑥各取締役に質問することはありますか?
→基本はトップが答えます。よほどのことがないと他の取締役に振ることはありません。質問に答えないのは、わかってないのか、責任意識がないのかと思われてしまうからです。
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株主総会の実態①としてはここまでにします。
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