株主総会の実態②!!
前回の株主総会の実態①に続いて、今回は②です。前回と同様質問形式で確認できたことをまとめます。
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3.決算状況、財務についてお聞きします。
①PLやBSに関する突っ込みはどの程度細かいのですか?PL、BSのどこを中心に聞かれるのでしょうか?
→質問されるのは基本PLが中心です。売上、利益、販管費などを聞かれます。製品ミックスで、利益率が高いのはどれか、どの製品をどのように伸ばすつもりか、利益率の高い製品に特化しないのか?などです。
→BSについては、リスク回避から、資産回転率、在庫、運転資本などの質問があります。月に必要な資金はどれくらいで、それをどのように調達しているのかなどです。
②財務面は、やはりROA,ROE,EPS,PER,PBR,BPSは必須で質問されますか?
→多いのは、ROEです。ROEを高めるためにどうしようと考えていますかなどです。ROEの分解式は有名ですが、そういうところまで質問されたります。
③配当についてどんな質問がされるのですか?
→配当性向、配当方針、安定配当されるかどうかです。何%の予定ですか?という具合です。
④株価について質問されることはありますか?
→機関投資家は株価をきくことはありません。分析し数値を導き出しています。逆に個人株主は質問します。現在の株価についてどう考えるか?など質問されます。
⑤安全性、収益性、成長性などの分析から質問されることはありますか?
→安全性を聞かれることはありません。機関投資家は収益性、成長性について普通に突っ込んできます。安全性を質問するのは金融機関ですね。株主総会ではあまりきかれません。
⑥有利子負債や借入について質問されることはありますか?
→資本コストについてどのように考えているかという点で質問されることがあります。借入先について聞かれることはありません。
⑦役員報酬について質問はありますか?
→個別の報酬額を聞かれる可能性はこれから増すでしょう。担当役割を全うしているかどうかの確認です。また株価連動型、もしくは業績連動型役員報酬体系を導入しないのかという質問もあります。
4.その他の質問についてお聞きします。
①社会課題CSR,社会価値創造CSVへの質問はありますか?
→これはどういう業界かにもよるでしょうね。うちの業界ではほとんど質問されません。今後はサスティナブル経営などで質問がされるかもしれません。
②雇用、採用等人材に関する質問はありますか?
→当然あります。技術をうたっている会社なら技術スキルがある人材を採用できるか?などあるでしょう。また従業員を大切にする会社かどうかを確認する株主もいます。
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1時間くらいのインタビューでしたが、株主総会、それと決算説明会の違いがわかりました。機関投資家と個人株主では質問内容も関心事も異なることも良くわかりました。
今後の経営シミュレーションプログラムへの展開イメージが沸いてきたのは非常に収穫でした。単なる株主総会ではなく、決算説明会的な株主総会がよさそうです。質問する内容もいろいろ突っ込める切り口を得ることができました。
インタビューにご協力いただいたお客様には非常に感謝しております。
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