タイムマネジメント陥りやすい傾向
各企業が実施している長労働時間の対策や労働時間の調査から言えることは、管理職や一般社員に対する意識啓発が中心です。タイムマネジメントはセルフマネジメントが本質です。しかしながらある会社でタイムマネジメントの話をした時に感じたことは、会社からの時間管理が厳しいという状況があり、時間をコントロールされているという実態です。自分で時間をコントロールしマネジメントしているというよりも外圧がかかって短い時間の中で苦心しているという事実です。
ドラッカーは、『自分自身の時間管理ができない人間が、企業経営に成功するわけがない。他者をマネジメントすることも出来ない。成果を上げている人は、いきなり計画作り(Plan)に入らず、何に時間が取られているかを明らかにすること(現状把握)からスタートする。次に、時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。最後に得られた自由な時間を大きくまとめる。時間を記録し、管理し、まとめるという3つの段階が、成果を上げるためのタイムマネジメントの基本である』といっています。本来は誰かに管理されるものではなく自分でこれができるならば、苦労はしないのですが、簡単ではありません。
なぜタイムマネジメントがうまくできないのでしょうか?
タイムマネジメントがなかなかできない人間のサガというか陥りやすい傾向があるようです。以下にその法則をまとめてみます。
1.パーキンソンの法則
第一法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第二法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
終了時刻を決めるのは仕事量ではなく、あらかじめ決められたデッドラインである、デッドラインを設けない仕事は終わらない
こういうのは学生症候群とも言われています
2.マーフィーの法則
何事も予定するよりも時間がかかる
うまくいかないと思えば必ずうまくいかなくなるから、十分だと思う以上に時間をかけてしまう
3.テルチャーの法則
人間の知性には好・不調の周期がある
心身共に1番冴えている時間に、難しく集中力を必要とする活動を持ってくるように計画すること
バイオリズムの法則ともいう(一般的には午前10時の前後2時間、つまり8時から12時が最も能率が高いと言われています)
4.イリイチの法則
一定の時間が過ぎると、効率性は下がり、集中力も低下する
完璧を求めるといつまで経っても終わらないという「逆生産性の法則」とも言われる
5.カールソンの法則
いろいろな仕事を同時に行うよりも、1つの仕事に集中した方が短時間で済む
仕事に邪魔が入ると集中力を取り戻すために5分以上かかる
あれこれ同時に進めるよりも、重点を絞る方がはかどるということですね。ですから優先順位をつけることが大事になります
それ以上に大事なのは、劣後順位でやらないことを決めることです
6.同一連続作業の法則
作業は分けて行うよりまとめる方がはかどる
7.パレートの法則
努力の20%が達成の80%を占めている、重要な仕事の20%を優先する必要がある
8.フレスの法則
時間は主観的である。楽しんでいると時間は早く過ぎ、楽しんでいないと時間は永遠に続くと感じる
好きなことに取り組めば、時間がたつのが早く感じる
9.「伝道の書」の法則
何事も時期があり、この世に起こること全てにはふさわしい時期がある
ふさわしい時期、タイミングで仕事をすれば、その仕事ははかどる
10.ラボリの6原則
嫌いなことの前に、好きなことを
難しいことの前に、簡単なことを
時間がかかることの前に、早く終わることを
初めてやることの前に、既に知っていることを
重要なことの前に、急ぐことを
自分で決めたことの前に、他人から言われたことを
人はやるものだというもの
「モノ・コト・時間から自由になるフランス式整理術」ベアトリス・キャロ著 を参考に編集してみました。
人は誰しも陥りやすい傾向がいくつかはあります。まずは、自分がどういう時間の使い方をしているかを理解することが大事です。意外と自分の時間の使い方を理解していません。気づくことができれば改善もできますね。
時間は誰にも平等です。1日24時間365日は皆同じなわけですから、仕事ができる人はタイムマネジメントがちゃんとできる人と言っても過言ではないと思います。
AMWでは、タイムマネジメントをマネジメントにおける重要な要素と位置づけクライアントの問題解決に貢献するプログラムを実施しています。ご興味ある方はお問い合わせください。
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