労働時間の実態調査
前回に続いて、タイムマネジメントに関するコラムです。今回は、その中でもいろいろな機関が実施している「労働時間の実態調査」をまとめてみます。
「雇用労働者の労働時間について」は、様々な機関(厚生労働省、総務省、日本労働組合総連合会、労働政策研究所、労務行政研究所等)がほぼ毎年調査を行っています。調査方法は、アンケート配布やモバイルリサーチなどであり、対象は3,000人から10,000人に対してです。傾向は、ほぼ同じであるため、回答結果から得られた内容を以下にまとめてみます。
労働時間の現状
・正規労働者1日の平均労働時間は8.9時間
・役職別労働時間 一般:8.7時間 主任クラス:9.1時間 係長クラス:9.0時間 課長以上 :9.1時間
1日9時間ぐらい残業1時間が平均のようです。
残業する理由(上位)
・仕事量が多い 63.9% ・人手不足 53.5% ・突発的な仕事が入る 36.0% ・仕事を仕上げたい 30.9%
仕事が多くて、人がいなくて、時間がないというところに集約されているのが特徴です。
上司のマネジメントは労働時間に影響する
労働時間を長くしている不適切なマネジメント項目は以下ような調査結果がでています。なんとも管理職にとっては耳の痛い話です。
・必要以上に資料の作成を指示する
・必要以上に会議を行う
・仕事の指示に計画性がない
・指示する仕事の内容が明確でない
・就業時間直前に仕事の指示をする
・残業しろと命じる
・社員間の仕事の平準化を図っていない
・残業をする人ほど評価をする
長時間労働対策の実施は労働時間の長さに影響する
長時間労働対策の実施の有無について「やっている」と回答した人の労働時間が、「やっていない」と回答した人の労働時間よりも約3時間も短いことがわかりました。長時間労働対策としてどのような対策をしているかについては以下のような回答結果です。
・管理職層に対する意識啓発への取り組み
・労働時間の把握と長時間労働の者やその上司への注意・助言
・一般社員に対する意識啓発への取り組み
・時間外労働の事前届け出制・許可制の導入
・ノー残業デーの設定、変形労働時間制やフレックスタイム制等の導入
会社でできることは、管理職や一般社員への意識啓発や時間管理上の制度運用が一般的です。したがって個人が時間管理の意識をたかめ、タイムマネジメントのスキルを高めることが望まれます。
調査から言えること
自分の仕事や上司のマネジメントと労働時間の関係を考えると
- 他社・他者との関係性の強さが労働時間を長くする
- 自らの業務目標の明確さや進め方の裁量度の高さが労働時間を短くする
- 上司が残業を当然と考えると労働時間は長くなる
- 上司が部下のマネジメントを適切に行えていないと労働時間は長くなる
- 長時間労働対策の実施が労時間を短くする
上司、周囲、顧客との協働の中で、タイムマネジメントができないと労働時間は長くなります。
そのためにもタイムマネジメントは必要ですね。
AMWでは、タイムマネジメントをマネジメントにおける重要な要素と位置づけクライアントの問題解決に貢献するプログラムを実施しています。ご興味ある方はお問い合わせください。
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